漢方がとくいとする病気
アレルギー性疾患
アレルギー症状とは免疫異常の状態を指します。
埃やダニ、スギ花粉といったアレルギー症状の原因となる物質が体内に入ることで、免疫細胞が過剰に反応することにより慢性的な炎症が起こります。
それにより気道や鼻腔内が過敏に反応するようになり、わずかな刺激で咳やクシャミ、鼻水が起きます。
西洋薬はステロイド剤、気管支拡張剤、抗アレルギー剤、抗生剤、消炎剤などにより症状を抑えることを目指します。
但し、アトピー性皮膚炎に対してステロイド軟こうを長期間使用を続けることによる副作用が問題として取り上げられるように、それだけでは十分ではないと言えるでしょう。
それに対し漢方医学ではまず自然治癒力を回復させることを第一として、その上で体内にたまった毒を外に出すことで治療します。
漢方医学では体質の改善を含め、根本治癒を目指すところに特徴があります。
慢性疾患
高血圧や糖尿病など、なかなか治らない長い治療が必要な病気に対して漢方薬は効果的です。
西洋薬では血圧を下げたり、血糖値を下げることはできますが、それによって生まれる倦怠感や頭痛、食欲不振などの弊害や、長期間の薬の使用が身体に負担をかけることもあります。
漢方薬はバランスを元に戻し身体の免疫力を高めて体質改善を促す効果があり、症状の根本治癒を目指します。そして慢性疾患に対しても効き方がマイルドのため長期間使用しても身体に対する負担は軽いことが特徴です。
体力の低下
職場のストレスなど、普段から心身ともに疲れを感じる方多いのではないでしょうか?
また、なんだか調子がおかしいと思い検査をしても「異常なし」そんな経験のある方いるのではないでしょうか。
このような原因が特定しにくい症状に対し、西洋医学では明確な診療方針が確立されておらず、対処しづらいと一般的に言われています。
漢方医学では気力、元気、活気といった生命エネルギーを「気」と呼び、
この気が足りない、低下していることは、重大な身体のバランスの乱れだという独特の病気の捉え方があります。
こういうときに漢方では気のバランスを元に戻すような処方をすることで、心身の疲れを治療します。
その他
高齢化社会を迎えた日本ですが、高齢者の方々は年齢と共に複数の病気や症状を抱える場合が少なくありません。
もし1つの病気に1種類の薬が必要とするなら、自然と使う薬の量も増えてきます。
大量の薬を服用することは内臓器官を弱らせるなど、副作用をもたらす可能性も大きくなってきます。
しかし、漢方薬は複数の生薬を組み合わせたもので、1つの薬で複数の症状に効きます。
又、それだけでなく薬の効き方が穏やかなので、高齢者のような体力の低下した方の身体に対して負担が軽いことも重要です。
そういう意味で漢方薬は高齢者の方々に適した薬と言えるでしょう。