【アートへの取り組み】
細密画家の松下愛さんと一緒に取り組みを始めている「アートを暮らしに」というプロジェクト。
どうしてアートに取り組みたいと思ったのか。
それは私たちが人との関りを大切にしている法人だからです。
人との関りを考えるうえで大切なことに「対話」があります。
対話を構成する大切なことがいくつもありますが、私たちの生業でもある医療介護福祉の文脈で考えてみますと、その一つにその人の在りたい姿というものをきちんと受け止めるということは大切なことだと思います。
どうしても病気や障害などに焦点が置かれ、その人がどういう生き方を望んでいるのか、何が好きで何が強みなのかといったことに配慮が行き届かないことも起きてしまいます。
それは患者利用者のみならず、働くスタッフたちも同じです。
専門性という強固な枠組みの中で自らの役割を狭く規定してしまいがちです。
理事長が「病気はあっても、病人にはしない」という言葉を大切にしていますが、すべての人がその人らしく暮らせる社会こそが望まれているのでしょう。
そのときにアートの持つ力は素晴らしく、正しさや効率性等から離れ、ときにその人自身が気づかない感情が眼前に表出されるものでもあります。
単なる「アートを目的化した」ような活動ではなく、アートをひとつのキッカケとして、その人がその人らしさを大切にできる場、時間を、多くの人たちと共に作り上げていく「暮らし」「営み」として進めていきたいと思っています。
随時活動の様子をお伝えできればと思います。